基軸通貨とはどういう意味があるのか

FXのための国際通貨研究所事務局   2016年8月8日   基軸通貨とはどういう意味があるのか はコメントを受け付けていません。

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様々な通貨が取引されている外国為替市場ですが、「メジャーカレンシー」と呼ばれる取引の中心となる通貨は厳然として存在しています。メジャーカレンシーの中でも、特に重要度が高いことで知られるのが「基軸通貨」です。今回は、メジャーカレンシーと記事通貨について見てみましょう。

外国為替市場の中心となるメジャーカレンシー

メジャーカレンシーは、外国為替市場で取引量と取引参加者の多い通貨のことを言います。

メジャーカレンシーとして扱われる通貨は、

  • 米ドル
  • 日本円
  • ユーロ
  • 英国ポンド
  • スイスフラン

の5通貨があげられます。

これらの通貨は信用が高く、流通量も多いのが特徴であり、メジャーカレンシーの中でも最もメジャーな通貨は流通量の4割を占める米ドルです。その流通量の多さから米ドルはメジャーカレンシーの中でも国際取引の場面などで使われる「基軸通貨」としての地位を確たるものとしています。

基軸通貨とはどのような通貨なのか

基軸通貨とは、外国為替市場の取引で主に扱われる通貨を指し、現在の外国為替市場では米ドルが該当します。

基軸通貨としての扱われるためには、

  • 軍事的に指導的立場にあること(戦争によって国家が消滅したり壊滅的打撃を受けない)
  • 発行国が多様な物産を産出していること(いつでも望む財と交換できること)
  • 通貨価値が安定していること
  • 高度に発達した為替市場と金融・資本市場を持つこと
  • 対外取引が容易なこと

ことが欠かせません。

歴史的に見ると、基軸通貨として扱われた通貨は19世紀の英ポンドと20世紀の米ドルの2つに限られます。世界にこれだけの通貨が存在するのに、なぜこれだけ限られた通貨しか基軸通貨として扱われなかったのでしょうか。

基軸通貨の生い立ちと変遷

そもそも基軸通貨の誕生は、19世紀のイギリスの世界進出に合わせて発展した国際貿易と、その決済通貨としての側面が強くあります。「日の沈まない帝国」として世界中に植民地を築いたイギリスの軍事・経済両面での強力な立場を背景として、英ポンドは近現代ではじめて基軸通貨としての地位を確たるものとしました。

しかし、第一次世界大戦によりイギリスをはじめとするヨーロッパ経済はいちじるしく疲弊し、逆にアメリカは戦争特需で経済が急成長したことで、基軸通貨が機能面で英ポンドから米ドルへと移ります。第二次世界大戦後はアメリカがブレトン・ウッズ(IMF)体制を背景として、各国中央銀行に対して米ドルの金兌換を約束したことと、経済力を背景として、米ドルが名実共に基軸通貨となりました。

1970年代のニクソン・ショックとそれによる変動相場制への移行や1990年代の東西冷戦の崩壊、2000年代の欧州共通通貨ユーロの誕生や中国経済の急激な伸長など、米ドルの基軸通貨としての地位を揺るがすとされた出来事はいくつかありました。

しかし現在でも国際取引の決済の80%以上が米ドルでおこなわれていることから、実質的な基軸通貨としての地位は揺らいでいません。現状では米ドル以外の通貨が基軸通貨になる可能性は極めて低いと言えますが、アメリカの景気対策による財政赤字の拡大による基軸通貨としてのドルの安全への懸念が指摘されています。

そのため、現状の基軸通貨制度に代わって、国際通貨基金(IMF)の通貨引き出し件(SDR)の使用範囲を拡大し、基軸通貨としての役割を担わせることが一部の国から提案されています。

おわりに

様々な問題や議論をはらみながらも、そのシステムの強靭さから外国為替市場と基軸通貨、メジャーカレンシーは主な取引システムとして存在しています。FXで取引をするときには、その存在を意識した取引をすると、結果を左右することがあるかもしれませんね。