国際通貨基金(IMF)の役割と現在

FXのための国際通貨研究所事務局   2016年8月8日   国際通貨基金(IMF)の役割と現在 はコメントを受け付けていません。

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国際金融と外国為替市場の安定化を目的として設立された国際連合の専門機関が国際通貨基金(International Monetary Fund = IMF)です。IMFは複雑化する現代金融を支えるために無くてはならない仕組みとなっています。今回は、IMFの役割とその歴史、現在の状況を見てみましょう。

国際通貨基金(IMF)とはどのような組織なのか

2014年時点で188か国の加盟国を数えるIMFは、その本部をアメリカ・ワシントンD.C.に設置しています。IMFはその設立当初から、加盟国の経常収支が著しく悪化したときなどに融資をはじめとする各種支援をおこない、国際貿易の促進や加盟国の経済成長、外国為替市場の安定などに寄与することを目指しています。外国為替市場の安定のために、経常収支が悪化した国への融資や、外国為替市場と各国の為替政策の監視などもおこない、国連傘下の機関としては権限が強いのが特徴です。

IMFの成り立ち

このように大きな権限を持つIMFですが、その成り立ちはどのようなものだったのでしょうか。第二次世界大戦中の1944年7月、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州・ブレトンウッズで、国際金融と外国為替市場の安定を目的として、ブレトンウッズ協定が結ばれました。ブレトンウッズ協定では、国際通貨制度の再構築や安定した為替レートに基づいた自由貿易の取り決めと合わせて、これらの健全な取引を監視するIMFの設立で合意されます。

国際復興開発銀行と共に1946年3月に創設され、1947年3月に実際の業務を開始、国際連合と協定を結び、国際連合の専門機関となりました。発足当初は外国為替市場で取引される通貨を物理的に輸送するなど泥縄的な部分が目立ちましたが、徐々に制度を整え、現在の国際金融市場を形作る大きな要因となりました。

IMFの主な業務

IMFの主な業務としては、「サーベイランス(政策監視)」「金融・技術支援」と「特別引出権(SDR)」があげられます。それぞれの概要について見てみましょう。サーベイランス(政策監視)では、国際通貨制度の維持と危機の防止に向け、IMFがおこなう各国の政策や、国・地域、そして世界的な経済・金融の状況をレビューするシステムのことです。

IMFは加盟国に対し政策助言をおこない、経済の安定の促進や経済・金融危機に対する脆弱性の軽減、さらには生活水準の向上の実現に向けた政策を推奨します。金融・技術支援とは、加盟国が国際収支上の問題を是正するための余地を持つことができるよう、IMFは加盟国に対しておこなう各種支援のことです。当該国の当局は、IMFとの協力の下、IMFが支援する調整プログラムの計画立案をおこない、これらプログラムの効果的な実施により支援の継続の可否が判断されます。

東西冷戦の終結と経済のグローバル化により、IMFは融資能力の強化を進め、2009年4月に金融支援メカニズムの大幅な見直し、2010年と 2011年に更なる制度改革をおこないました。こうした改革は、危機予防の強化、システミックな危機の際の伝播の緩和、そして各種制度を加盟国のパフォーマンスと環境を基に調整することを焦点としていました。

金融支援とあわせてIMFがおこなう技術支援や研修では、徴税をはじめとする国庫の収入と支出全般に渡る分野で、加盟国による効果的な政策の立案と政策実施能力の強化を支援しています。

IMFの重要な役割として忘れてはならないのが、通貨の特別引出権(SDR)です。IMFは加盟国の準備資産を補完する手段として、特別引出権 (SDR)と呼ばれる国際準備資産を備えています。SDRは通貨危機に直面した加盟国が、仮想の準備通貨であるSDRと引き換えに他の加盟国からドル・ポンド・ユーロ・円という通貨バスケットにある通貨を融通してもらう仕組みです。SDR配分の累積総額は約2,040億SDR(約2,830億米ドル)に達し、一部加盟国からは米ドルを代替する基軸通貨としての役割を持たせることが提案されています。

おわりに

このように国際金融市場の安定という大きな目標のために、IMFは様々な業務をおこない、日本も巨額の資金を拠出するなど、深く関わりのある組織です。その動向に注目すると、色々なことがわかるかもしれませんね。